個人事業主と法人の違い

起業サポートセンター東京事務局

2024年10月18日

2024年10月30日

個人事業主と法人の違い

<はじめに>
こんにちは、ミネルバ税理士法人です。このブログでは、「会社設立」や「起業」に関するノウハウやポイントを中心に分かりやすくご紹介しています。今回は個人事業主と法人の違いについて整理してみました。ぜひ、参考にしてください。

個人事業主と法人の違い: 基本をわかりやすく比較

1-1個人事業主と法人ってどう違うの?基本的な特徴を解説

基本的な特徴として、個人事業主は個人という人格で独立した事業を営んでいる方の事を指します。法人は法人格を取得し、法律上の人格に基づいて事業を営む組織形態の事を指すため、個人(経営者)と法人は法的には別の存在であり、法人自体に権利や義務が生じます。

1-2税金の違い: 個人事業主と法人の違いとは?

個人事業主は、収入から経費を差し引いた後の課税所得に対して、所得税が課税されます。
(例)収入1,000円-経費300円=所得700円 ←700円に対して所得税が課税。
法人は役員報酬として個人の所得税、法人の所得に対して法人税が課されます。
(例)収入1,000円-経費300円-役員報酬600円=所得100円
                  ↑       ↑
                所得税が発生 法人税が発生

上記の例を参考にすると、個人事業主は700円全てに個人の所得税が課税されますが、同じ収支でも法人は700円(内、600円に所得税、100円に法人税)に分かれて課税されます。
※住民税、事業税に関しては、今回省略いたします。

1-3法的な違い: 個人事業主と法人の法律上の違い

大きな違いとして、責任の所在が挙げられます。
【個人事業主】事業主である個人に全ての責任が帰属し、無限責任を負います。事業で生じた借金や損害賠償等の責任は、個人の財産にも及ぶ可能性がございます。
【法人】人ではなく法人格が主体となるため、有限責任を負います。法人の債務や損失は、原則として法人の財産に限定されます。

個人事業主のメリットとデメリット

2-1個人事業主のメリット: 初期費用や運営コストが安い

法人の設立は法務局へ登記申請を行う必要があり、印紙・登録免許税・司法書士への依頼費用など、少なからず出費が発生するのに対し、個人事業主は開業届を提出するだけで始められます。確定申告書の作成は国税庁から出している「確定申告書作成コーナー」や会計ソフトで対応できるようになってきており、多少の会計知識がある人は自身で申告まで行うことが可能です。

2-2個人事業主のデメリット: 信頼性や融資の難しさについて

法人に比べると、信用力が個人に依存するため、資金調達の手段が限られてしまう事があります。企業間取引においては財務的、法的基盤が弱く見えるため、個人事業主では大規模な顧客を得にくい可能性があります。
また、個人事業主は誰でも簡単に事業を開始できるため、個人事業主との取引はリスクが伴うと考えられることがあります。

2-3税金面でのメリットとデメリット: 個人事業主の税制

税制①所得税
個人事業主の所得税は、事業によって得た所得に対して課税されます。所得税は累進課税方式を採用しており、所得が増えるにつれて税率も上がります。法人税の税率を鑑みると、所得が少ない方は個人事業主として事業を行うことで、税率を下げることができます。(逆に所得が上がると法人税の方が有利になる可能性もございます。)

税制②青色申告
適切な帳簿を作成し、e-Taxを利用することで、65万円の所得控除や赤字の繰越、家族従業員への給与等、税制上のメリットが受けられます。

税制③社会保険料
個人事業主は会社員のように協会けんぽに加入できません。その為、国民健康保険、もしくは業種特有の保険組合に加入する必要がございます。

税制④年金
個人事業主は厚生年金に加入できない為、国民年金(基礎年金)のみの加入となります。会社員に比べ将来受給できる年金が少なくなる見込みから、小規模企業共済やiDeCoで将来受け取る年金を増額させる備えが必要です。

 

法人化のメリットとデメリット

3-1法人化のメリット: 税金の優遇ポイント

法人化による主な税金優遇メリットは下記になります。

①役員報酬による節税
記事前半の「個人事業主と法人の違い」でご紹介をしたように、個人事業主の場合は事業所得全体が課税対象になりますが、法人の場合は役員報酬によって給与所得控除を受けることができるため、課税所得を減らすことが可能です。

②退職金による節税
個人事業主の場合は、原則として退職金を支払ったとしても経費として認められませんが、法人の場合は役員を含む従業員への退職金は損金として認められるケースがあります。経費として処理することで、課税所得を圧縮し、法人税の負担を軽減できます。

③赤字の繰越
個人事業主の場合は赤字を3年間繰越し可能ですが、法人の場合は10年間繰越しが可能になります。将来の利益と相殺することで、法人税の負担を軽減できます。

④消費税の納税猶予
個人事業主の場合は課税売上高が1,000万円を超えると、2年後から消費税の納税義務が生じますが、法人化をするとそこから2年間は消費税の納税が免除されるケースがあります。(ただし、インボイス制度を利用する場合は消費税免除の対象になりません。)

⑤生命保険の経費計上
法人の場合は、法人名義で契約した生命保険料の一部は、経費として計上できる場合があります。

 

3-2法人化のデメリット: 手続きが複雑になり事務的な負担が増える

法人化は事業拡大や節税などのメリットがある一方で、デメリットも存在します。

設立をするためには登録免許税や定款認証などの初期費用がかかり、決算・株主総会・各種届出など個人事業主よりも手続きが煩雑化します。個人事業主は自分で確定申告をする人もいますが、法人の場合は、税理士にお願いをする人がほとんどで、その費用負担も発生します。また、赤字であっても法人住民税均等割は必ず支払わなければなりません。

3-3リスクの分散と資金調達: 法人だとできるメリット

法人化をすると、事業の負債が個人資産にまで及ぶリスクを軽減することができます。個人事業主の場合、事業の失敗で私的な財産まで失ってしまう可能性がありますが、法人であれば原則として法人資産の範囲内で責任を果たすことになります。(但し、法人の債務を代表個人が連帯保証している場合、法人資産の範囲を超えて弁済する必要があります。)

また、法人は個人事業主よりも信用力が高く、銀行からの融資を受けやすくなります。

 

個人事業主と法人の選び方

4-1どちらを選ぶ? 事業規模や将来性での選び方

小規模で個人で完結ができる事業であれば個人事業主が向いていますが、大規模な事業や従業員を雇用する予定がある場合は法人化を検討してみても良いかと思います。また、取引先から法人での契約を求められていたり、介護事業など法人でないとできない業種の場合は法人でスタートします。

4-2資金調達の選択肢と条件: 法人設立でのポイント

法人設立にあたっては、事業の規模や種類、将来性の展望に応じて様々な資金調達の方法があります。設立初期段階の選択肢としては、自己資金・銀行融資・補助金・助成金・クラウドファンディングなどが考えられます。

株式会社は株式という形で出資をしてもらい事業資金に充てることもでき、資金調達の一つの選択肢として考えることもできます。

4-3社会的信用の必要性: なぜ法人にすると良いのか

法人は個人事業主と比較して、より高い社会的信用を得ることができます。登記簿謄本を通じて誰でも経営状況を確認できるのと、会計処理も厳格に行うことが求められるため、財務状況が透明化されることも1つの理由です。また、法人の方が安定しているイメージがあるのと、求職者も社会保険完備の企業を求める傾向にあるため、採用面でも有利と言われています。

<まとめ>
今回の記事が皆様のお役に立てると幸いです。疑問点やさらに詳しく知りたいことがありましたら、ぜひお気軽にLINEの無料相談をご利用ください。ミネルバ税理士法人の専門家が、あなたのビジネスを全力でサポートいたします。

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